クレジットカードの審査のプロセスの一つとして、在籍確認というものがあります。この在籍確認というのはどういったものか、本記事において説明していきます。
在籍確認とは何か
申込者が在籍しているか職場に確認の電話を入れること
在籍確認というのは、申込者が申込書において記載した勤務先に対して、クレジットカード会社がその申込者が本当に在籍しているのか、確認の電話を入れることです。申込者本人が不在等の理由で出ず、他の社員の方が出た場合でも、在籍していることが確認できれば、何回も電話がかかってくることはほぼありません。ちなみに、本人が電話に出ると、生年月日を聞かれる場合もあれば、「ご本人の在籍が確認できました。お申込みありがとうございました」と言われて通話が終わるような場合もあるようです。
趣旨は記載に嘘がないか確認するため
在籍確認の電話をする趣旨は、申込書の記載に嘘がないか確認するためです。安定した企業に勤めている人は、安定した収入をもらい続け、クレジットカードも延滞なく使ってもらえる可能性が高いことから、勤務先はクレジットカードの審査項目の一つとなっており、それが嘘だとすると審査の精度が落ちてしまうため、在籍確認の電話をしています。
在籍確認の電話は全員にするのか?
申込者が勤務していない場合はない
ところで、在籍確認は申込者全員にするのでしょうか?答えはNoです。無職の方や学生の方、専業主婦・主夫など、勤務先がない方には在籍確認はありません。なお、パート・アルバイトをしていて、その勤め先を記載した場合は在籍確認がある可能性があります。
派遣社員も在籍確認がないケースが多い
派遣社員の方も在籍確認がないケースが多いです。これは、派遣会社には登録されている人数も多く、同姓同名がいる可能性も高いこともあり、煩雑な対応を嫌って多くの派遣会社がマニュアル上クレジットカード会社による在籍確認の電話に無回答という対応となっており、このことは多くのクレジットカード会社にも認識されているためです。
正社員でも在籍確認がないケースもある
それでは、在籍確認は上記以外の全員にするのでしょうか?これも、答えはNoです。すなわち、正社員でも在籍確認の電話が省略されるケースもあります。それは、次のようなときです。
- 同じ会社のカードを保有し、安定して利用している場合
- 他社含めどこかのクレジットカードを保有し、その申込みの時と同じ勤務先を書いた場合
- クレジットヒストリーが良好な場合
以下それぞれ詳細を説明します。
正社員でも在籍確認が省略されるケース①-同じ会社のカードを保有し、安定して利用している場合-
同じクレジットカード会社のカードを保有し、安定して利用している場合は、在籍確認の電話が省略される傾向にあります。これは、同じ会社のカードであれば、そのカードの利用状況を把握しており、支払い能力があるかそれをもとに十分に判断することができるためです。
正社員でも在籍確認が省略されるケース②-他社含めどこかのクレジットカードを保有し、その申込みの時と同じ勤務先を書いた場合-
どのクレジットカード会社も審査の際、申込者の信用情報について、信用情報機関に照会あしますが、以前のクレジットカードの申し込み情報も信用情報機関に記録されており、その以前の申し込み情報も審査の際に確認されます(信用情報機関については「信用情報機関とは何?開示請求できる?」をご参照ください)。そして、以前発行されたクレジットカードの申し込み時に書いた勤務先と新たに申し込んだ際に書いた勤務先が一致していれば、虚偽の可能性が低いため、在籍確認の電話が省略される傾向にあります。
正社員でも在籍確認が省略されるケース③-クレジットヒストリーが良好な場合-
勤務先が変わっていても、長年良好なクレジットヒストリーが蓄積されているような場合は、在籍確認の電話が省略される可能性が高いです。長年良好なクレジットヒストリーがたまっているという方は、きちんとした支払い能力があるということですから、審査を簡易に済ませる傾向にあるようです。クレジットヒストリーについては、「クレジットヒストリーとは?作り方は?」をご参照ください。
在籍確認の電話が来る可能性を下げる方法は?
春先に申し込むと可能性が下がる
上記の在籍確認の電話が省略されるケースでなくても、在籍確認の電話が来る可能性を下げられる方法があります。それは、クレジットカードを春先に申し込むことです。春先は新生活が始まることもあり、新たにクレジットカードを作ろうとする人が他の時期に比べて多いです。クレジットカード会社もできれば多くの人に自社のカードを使ってほしいですし、審査の手間もできる限り減らしたいので、こういった特に忙しくなる時期は審査を短くすることが多いようです。
怪しい人はいずれにせよ避けられない
在籍確認は審査の一環ですから、記載内容が疑わしかったり、信用が低い人などは、春先に申し込んだとしても、在籍確認を避けられない可能性が高いです。嘘を書いても不利益を被るだけというのは、「クレジットカードの申し込みで嘘を書いたらどうなる?」でも書いたとおりですので、正直に書きましょう。
以上のように、クレジットカードの審査には在籍確認というプロセスがあるものの、省略されるケースも少なくありません。信用には問題ないが、職場に電話がかかってくることを避けたい方などは、春先に申し込んでみてはいかがでしょうか。